これからの君と話をしよう

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この本がすごい!2012 エッセイ編

  前回予告していた通り、今回は、「今年印象的だった本ランキング」のノンフィクション編です(もうとっくに「今年」ではなく「昨年」ですが……w)。

 ですが今年は、「新書・一般書」と「エッセイ・エピソード集」でランキングを分けることにしたので、今回は「エッセイ・エピソード集編」を行ってみたいと思います。

 今まで、本関係のランキングでは「フィクション編」「ノンフィクション編」そして「コミック編」を行ったことがあるのですが、エッセイ編は初の試み。

 さぁ、いってみましょう!

 

5位 橘哲雄『ふしぎな110番』

ふしぎな110番

ふしぎな110番

 ちょうど防犯に興味を持っていた時期に見つけたので読んでみました。本当にあったユニークな通報エピソードを集めた本。ちょうど同時期に、渡邊一浩『これからの「正義の通報」の話をしよう』を読んだところだったので、より興味深く読めました。まるで、『生協の白石さん』のような本です。 

 

4位 吉田太一『遺品整理屋は見た!』

遺品整理屋は見た!

遺品整理屋は見た!

 もっとゴシップ色の強い本かと思っていたら、ヘビーな内容を丁寧に描いたエピソード集でした。ひとつひとつのエピソードが短めなので、さらっと読めます。もっと読んでみたくなり、著者の本は、このあと『遺品整理屋は見た!!』、『遺品が語る真実』、『私の遺品お願いします』、『おひとりさまでもだいじょうぶ』、『孤立死』も読んでしまいました。

 孤立死をめぐる現場そのものだけではなく、著者がお客様や仕事に向き合う姿勢にも胸を打たれるものがあります。どの本も似たようなエピソードを扱ってはいますが、本によって微妙に主張が違っていて、読む本ごとに新たな発見がありました。

 

3位 朝井リョウ『学生時代やらなくてもいい20のこと』

学生時代にやらなくてもいい20のこと

学生時代にやらなくてもいい20のこと

  いやホント、著者は天才なんじゃないでしょうか。これがあの、『桐島、部活やめるってよ』、『少女は卒業しない』で繊細な心理描写をしていた人だなんて!

 随所で噴き出してしまった、かなり楽しいエピソード集。でも、やっぱり彼の言葉の選び方や文章のセンスの良さは健在で。とにかく、文章のリズムの良さをひたすら感じた1冊でした。私は著者とはほとんど年齢も変わらないため、リア充な大学生活に軽く嫉妬しながらも(笑)、「大学生って感じだな~」と親近感を覚えながら読むことができました。

 全体的に、「作家だから日常の些細な出来事もおもしろおかしく描ける」というよりは、もととなる出来事にそもそも恵まれている、というような感じがしました。著者はベンチャー企業でのアルバイトなど、「意識の高い学生」っぽい活動もしていたみたいですし。友達にも恵まれていそう、という印象を受けました。

 

2位 内田樹高橋源一郎『嘘みたいな本当の話』

 内田樹目当てで手に取りました。「犬と猫の話」「おばあさんの話」「変な機械の話」など、テーマごとに分けられた「嘘みたいな本当の話」と称されたエピソードが集まった本。Twitterのハッシュタグや、2ちゃんねるのスレッドを眺めているような感じで読めました。あの「きょうの猫村さん」の、ほしよりこによる挿絵も絶妙。穂村弘『絶叫委員会』を読んだ時も思ったのですが、偶然生まれた言葉や出来事って、どうしてフィクションを超えるおもしろさがあるんでしょうか。

 でも、ただのエピソード集で終わっていないのがさすがこの選者のお二人。寄せられたエピソードから見えてくる、アメリカと日本の比較の考察もなかなか興味深かったです。ただ、素人が書いた文章ということで、全体的に読みづらさを感じるものが多かったことがやや惜しい。(あと、この本は続編も出ているのですが、続編を読んだときには正直、興ざめしてしまいました……。)

 

1位 穂村弘『絶叫委員会』

絶叫委員会

絶叫委員会

「天使的な言葉たちについての考察」という副題もお気に入りです。想像では到底たどり着けないような、今までじぶんの中に存在しなかったような言葉たちが集められたエッセイ。著者の観察眼というか、言葉に敏感な姿勢には憧れてしまいます。なんていうか、私たちが普段使っている言葉って、すごく限られたものしか表現できていないんじゃないかとか、言葉の限界と可能性とか、そういうことをひたすら考えさせられました。このひとのような豊かな感受性を持っていたら、きっと世界はもっと楽しくなっていただろうな。そんなことも考えてしまいました。

「噛みつきますから白鳥に近づかないで下さい」

「でも、さっきそうおっしゃったじゃねぇか!」

など、表紙にも、ふしぎな印象を受ける言葉たちが散りばめられているのもいいですね。

 

 

 ……いかがでしたか?

 はじめての「エッセイ編」ランキング。いつもは10冊ランク付けしているんですが、今回は読んだ冊数が少なめだったので5冊に絞りました。

 いや、冊数自体がとても少ないというわけではないんですが、同じ著者の本やシリーズが何点かあったので、それらは除外し、今回は5冊だけのランキングにしました。

 

 

 圏外になった本もいくつか紹介。

 エピソード集では、三枝理枝子『空の上で本当にあった心温まる話』と、その続編もなかなかホロリとさせられました。飛行機をめぐるさまざまなエピソードが描かれており、群像劇の連作短編集のように読めました。私も、昨年は就職活動で飛行機に乗る機会が何度もあったので身近に感じられましたし、著者の仕事に対してのプロ意識も感じることができました。

 エッセイだったら、高島彩『聞く、笑う、ツナグ。』もなかなかの良著でした。就活セミナーで、「就活本よりこの本を読め!」と言われたので読んでみたのですが、仕事に限らず、人とのコミュニケーションにおいて大切なことや、自分の魅力の引き出し方など、この本を通してさまざまなことをアヤパンから教えてもらうことができました。彼女が愛される理由がわかった気がします。

 

 1/26追記。そういえば昨年は、なぜか、クレーマーについてのエピソード集もよく読んでいました。川田茂雄『社長をだせ!』、『社長をだせ!ってまたきたか!』、関根眞一『そこまでするか! モンスタークレーマー』などなど。先日も、青木詠一『それでもお客様は神様ですか?』を読んだところですし。昨年はストレスが溜まることが多かったので、こういう本を読んで発散していたような気がします。

 

 次回は、本の話は一旦お休みして、別の話題について書くかもしれません。