これからの君と話をしよう

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この本がすごい!2012 フィクション編

 またまた今回も年明け、というかもう1月中旬になってしまいましたが、毎年恒例の、「今年読了した本のランキング」を行ってみたいと思います(もうとっくに「今年」ではなく「昨年」になってしまいましたが……)。

 今回はフィクション編です。2012年は全体的に小説はあまり読めなかったのですが、それでもたくさんの印象的な本に出会うことができました。

 あ、ちなみにこのランキング、「2012年に発売された本」ではなく、あくまでも「2012年に読了した本」ですので、あしからず。

 

「今ごろになって、2012年のランキング発表してる人なんていないよ。何やってるの;」という呆れた声も聞こえてきそうですが……それでは、いってみましょう!

 

10位 ミヤタケイ『ストロベリー』(アルファポリス

ストロベリー

ストロベリー

 表紙のイラストの可愛さと、帯の文に惹かれて手にとった本。アルファポリス大賞受賞作のケータイ小説でした。内容の割にはあっさりしすぎな印象は否めませんでしたが、先の読めない展開と、世界観が気に入りました。

 

9位 ナツイチ編集部『あの日、君と Girls』(集英社文庫)

あの日、君と Girls (あの日、君と)

あの日、君と Girls (あの日、君と)

 Boysも読みましたが、断然、Girlsのほうが好みでした! 一番のお目当てだった加藤千恵作品は安定して楽しめたし、荻原浩中島京子インパクトが強かった。村山由佳作品も感動。ほんのりと同性愛の要素も含まれた作品があったのも良かったですね。

 

8位 かじいたかし『僕の妹は漢字が読める』(HJ文庫

僕の妹は漢字が読める (HJ文庫)

僕の妹は漢字が読める (HJ文庫)

 ちょっと前にネットで話題になっていたこのラノベ、ようやく読みました。あれこれ批判されていたのであまり期待していなかったのですが、素直に面白かったです! こういうSFチックな設定や展開だいすきなので。続きも気になる終わり方。キャラのバカさ、クズさっぷりももはや筋が通っていて憎めないです……!

 

7位 豊田巧『僕は君たちほどうまく時刻表をめくれない』(小学館ガガガ文庫

僕は君たちほどうまく時刻表をめくれない (ガガガ文庫)

僕は君たちほどうまく時刻表をめくれない (ガガガ文庫)

 著者の「電車で行こう!」シリーズが好きだったのでこの本も読んでみました。ヒロインに鉄道の薀蓄を語らせているのはちょっと不自然さを感じましたが、中盤からの展開は大好きです。「電車で行こう!」でもそうでしたが、人助けが関わってくるエピソードって好きなんですよね。鉄道好きな人はもちろん、そうでない人も楽しめると思います。

 

6位 みゆ『通学電車』(集英社コバルト文庫

小説 通学電車 君と僕の部屋 (コバルト文庫)

小説 通学電車 君と僕の部屋 (コバルト文庫)

 意外と良かったです。発売当初はあまり興味は持たなかったのですが、集英社ナツイチで紹介されているのを読み、ありがちなケータイ小説とは違いそう、と思って読んでみました。セリフや絵文字やベタな展開、などは気になりましたし、荒削りっぽさも感じましたが、この世界観は筋が通っていて好みでした。(わかる人がどれだけいるかはわかりませんが、飯田雪子のティーンズハート時代の作品に似たものを感じました)

 

5位 宮木あや子『学園大奥』(実業之日本社文庫)

学園大奥 (実業之日本社文庫)

学園大奥 (実業之日本社文庫)

 もう、表紙もイラストも文体も世界観も、全てがとにかく懐かしさを感じさせる作品でした! 20年くらい前の少女小説(というか、ティーンズハート)がだいすきで、「My Birthday」も愛読していた私としてはもうたまらなかったですね。個性的で政治的な学園生活を通してヒロインの成長物語になっているのもいいし、ヒーローがイケメン設定じゃないところもいい味出してます。コミカルさとシリアスさのバランスも良かったです。

 

4位 大倉崇裕『小鳥を愛した容疑者』(講談社)

小鳥を愛した容疑者

小鳥を愛した容疑者

 容疑者が飼っていた動物を手がかりに推理をする、という連作短編集。この作家さんの「オチケン!」シリーズが好きだったのでこちらも読んでみたのですが、期待以上のおもしろさでした。ヘビの話が一番好きです。

 血生臭い事件でも、容疑者の動物たちへの愛情がそれを緩和している気がして、殺人モノが苦手な私もすんなり読めました。また、中年警官と若い女性のコンビ、というキャラクターも、加藤実秋「アー・ユー・テディ?」シリーズを思い起こさせられて気に入っています。

 

3位 飯田雪子『アニバーサリー ―しあわせの降る場所』(ハルキ文庫)

アニバーサリー―しあわせの降る場所 (角川春樹事務所 ハルキ文庫)

アニバーサリー―しあわせの降る場所 (角川春樹事務所 ハルキ文庫)

 ウェディングプランナーの舞花のまわりで起こる、結婚にまつわる連作短編集。この著者の本は10年以上前から大好きなので、安心して読むことができました。読後、あったかい気持ちになれます。

 素材はとっても甘い恋愛でも、著者の手にかかればほどよく甘みを抑えた洗練された文章になっているのも素敵です。恋愛小説としてだけでなく、仕事を通じた、舞花の成長物語になっているところもお気に入りです。あと、私はよく物語の登場人物に嫉妬することがあるのですが(笑)、この作品では、登場人物みんなの悩みもしっかり丁寧に描かれており、ご都合主義すぎない展開だったところが、快適な読後感の理由のひとつかもしれません(笑)。

 

2位 辻村深月本日は大安なり』(角川書店)

本日は大安なり

本日は大安なり

  ドラマ化もされた作品らしいですね。私は観なかったのですが。

 こちらも結婚式にまつわる物語。ですがこちらは、映画「THE 有頂天ホテル」のようなドタバタ群像劇です。結婚式の妨害を企む人物がいたり、入れ替わりを計画する人物がいたり、秘密を抱える人物がいたり……面倒くさい問題だらけのキャラが集まっていて、「これからどうなるんだろう?」と、ひたすら目が離せない展開ばかりでした。親近感を覚えるキャラがいたり、魅力的な男性、女性がたくさんいたのも読んでいて楽しかったですね。特に、双子の妃美佳の恋愛経験のコンプレックスには、もう痛いほど共感できました。後日談も素敵です。

 

1位 朝井リョウ『少女は卒業しない』(集英社)

少女は卒業しない

少女は卒業しない

『桐島、部活やめるってよ』が映画化され、先ほど『何者』で直木賞も受賞した朝井リョウ。彼の作品では『桐島』か『何者』が話題になりがちですが、この作品ももっと評価されていいと思います。朝井リョウの小説は『桐島』しかまだ読んでいないのですが、『桐島』の頃よりはるかに文章も上手くなっていました。女性の作品かと思ってしまうくらい心理描写が見事。ひらがなの含有率の高さと比喩表現のバランスでしょうか。人物がふざけあっているときの会話や、「ソックタッチが剥がれる」などの女子高生ならではの細やかな文化など、細部にまでリアリティがありました。ただ惜しむらくは、「廃校になる」という設定はあまり活かしきれていないところでしょうか。

 内容は、廃校になる高校の卒業式での出来事をめぐる連作短編集です。卒業式当日の朝から夜までが、さまざまな少女たちの目線によって描かれています。伏線たっぷりのミステリチックな作品もあれば、軽快でコミカルなもの、切なくリリカルなものもあり、とにかく読んでいて飽きませんでした。良くも悪くも、読後はしばらく余韻を引きずってしまいました。2012年に読んだ本の中で、もっとも余韻を引きずった作品とも言えるかもしれません。

 

 ……いかがでしたか?

 それにしても私、短編集や群像劇ほんっと好きですねー。そして珍しくラノベやケータイ小説もランクイン。

 2012年はあまり小説を読めなかったため、順位はともかく、どの本をランキングに入れるかということはすんなり決まりました。

 

 次回はノンフィクション編を行いたいと思いますが、こちらは読んだ冊数が多いので、エッセイ的なものと新書などのランキングをそれぞれ分けてみたいと思います。